網膜の中心部にある直径2,3mm程度の部分を黄斑と言いい、視機能(物の形や色彩を認識する能力)において重要な役割を持っています。特に、黄斑部のさらに中心直径約0.35mmの部分は中心窩と呼ばれ、視機能の大半を担っています。
加齢黄斑変性とは、この黄斑部が加齢等の原因で変化し、「物がゆがんで見える」「暗く見える」「視力が低下する」などの症状が表れる疾患です。発症の初期では症状が軽く、特にもう片目が正常であれば、見え方が補われるので気づきにくいことがあります。そのため、見え方の異常を自覚して眼科を受診した時には、症状がかなり進行している場合もあるので注意が必要です。
黄斑部の脈絡膜(網膜のさらに外側の膜)から本来は存在しない新生血管が発生し、網膜内まで血管が侵入します。新生血管は非常に脆くその血管から出血する事で網膜下出血や網膜浮腫など、黄斑の機能に重篤な障害を起こします。
新生血管が増えるとそれに伴い、出血や滲出物も増え、上記症状を自覚する様になります。病状の進行が速い為に早急に治療を始めないと悪化し、最悪の場合には治療できないほど視機能を失い、高度視力障害が残ります。
もともと欧米人に多かったのですが、近年、日本人にも非常に増えている病気です。
黄斑に起こる病気ですので、見たいものの中心が見えにくくなります。周辺部の視野は、温存されることが多いです。
眼底検査が基本になりますが、この病気が起こる脈絡膜は網膜の奥になるため、直接は見えにくく、網膜・脈絡膜の断面を測定できるOCT検査が必須になります。
当院では最新の高解像度OCTを導入しておりますので、上記の症状にあてはまる方は一度、検査を受けに受診してください。
レーザー治療や光線力学的療法PDT(薬と弱いレーザーを併用して新生血管を退職させる治療法)などもありますが、VEGF阻害薬(新生血管を抑える薬)が開発されてからは、この薬を眼球に直接注射する治療法がメインとなっています。
こちらのサイトが分かりやすくまとまっていますので、参照してください。